ジムに行った帰りの駐車場での出来事である。
駐車している車に向かう途中、ガードマンの格好をした若者が、車を誘導していた。
見ると高齢者マークをつけた車のバック駐車を誘導している。
うまくスペース内におさまらないようで、いったん車を前進させるよう運転手に言ったと思った瞬間、車はバックを始めた。
誘導している若者が、車を前進させるよう叫んでいるが、構わず車をバックさせている。
慌てた若者は大声で「前に!前に!」と叫んだが、車は速度を増してバックし、通路向かいに駐車している車にぶつかった。
それなりのスピードが出ていたので、ぶつけた軽自動車が押され、その勢いで隣に駐車しているワンボックスカーにぶつかった。
あっという間の出来事だったが、この光景は最近ニュースでよくみかける高齢者の暴走である。
然し、このままでは終わらなかった。
ぶつかって止まった車は、今度は前進を始めた。
若者が「止まれ!止まれ!」と大声で叫ぶが車は止まる様子がない。
私は恐いので柱の陰に隠れていたが、このままではまずいと思い、大声でエンジンを切れと叫んだ。
エンジンを切れば、安全だと思ったからである。
若者は、今度はエンジンを切れと3回大声で叫び、やっと車はエンジンを切って止まった。
車がスピードを出していなかったので、次の事故は防ぐことが出来た。
車内から出て来た高齢者は、顔の表情がなく、呆然としている。
若者も動転して何をやって良いかわからない様子だったので、警察に連絡しろと声をかけた。
若者が警察に連絡し、少し、全体が落ち着いたところで、ぶつけられた車の方を見ると、二次的にぶつけられたワンボックスカーの運転手席に5~6歳の女の子が乗っていた。
私はその子のことが気になり、助手席の方から、様子をみようとしていたところで、女の子の母親が戻ってきた。
女の子は母親の顔を見るなり、激しく泣きじゃくり始めた。
その女の子の様子や車の損傷度(前のドアに軽自動車が少しめり込んでいた)から判断して、女の子は大丈夫だろうと、私は一安心してその場を去った。
女の子が軽自動車に乗っていたら、恐らく相当のダメージを受けていただろう。
人身事故に至らなかったのは不幸中の幸いではあるが、母親が子供を車において出るというのはいかがなものであろうか。
まだ小さな子供なので、一緒に連れて行くべきだろう。
万が一、何かあったときは、母親は一生後悔してもしきれないだろう。
運転していた高齢者は、前に進むべきところをバックさせてしまったので、慌ててパニクってしまったのだろう。
呆然としている高齢者の様子をみていると、とても他人事とは思えない。
私も今は冷静なつもりでも、いつパニクるようになるかわからない。
他山の石以て玉を攻むべし。
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