人間は必ず老いる。
避けて通ることの出来ない宿命である。
歳を取るごとに老いは忍び寄っているが、そのことを明確に意識するようになるのは、70歳を過ぎてからのように思う。
徐々に出来ていたことが出来なくなったり、疲れやすく、またその疲れが残るようになる。
私の場合、「老い」を強く意識し始めたのは、最近、狭窄症が高じて椎間板ヘルニアと診断されたことである。
主な症状は腰痛と足の痺れである。
足が痺れるので、歩く時、動きが不安定になり、早く歩けないし、階段を下りるのが恐い。
加齢によるものなので、対処療法はない。
幸い、まだ手術をするほどではないが、いずれかは、手術が必要になる時が来るだろう。
あるいは、手術が必要となる前に、「死」が訪れるかも知れない。
どちらが先に来るか、「神のみぞ知る」である。
この現実だけは、甘んじて受け入れなければならない。
問題は、そのうえでどう過ごして行くがである。
「体」は老いても、「心」は老いたくない。
これからの人生で、もっとも大切なことは、若い心を保ち続けることである。
人間は必ず老いると頭ではわかっていたが、これまで、老いを実感したことはなかった。
人間の価値が本当にわかるのは、老いが来てからの生き方だと思う。
そのために何をどうするか、これからの私の人生の大きな命題である。
