神戸旅行の2つ目の目的は、築地和光で貝を食べること。
以前、友達に連れて来てもらい、「美味しい食」に対する価値観がひっくり返った店である。
妻にも私が味わった感動を味あわせてやりたかった。
予約した料理は、前回と同じ内容で「貝のお任せコース」にオプションの「シャラン鴨」。
その日の仕入れにより、若干貝の種類が異なる。
ハマグリ

白バイ貝

ムール貝

オキシジミ

姫サザエ

磯ツブ貝

カキ

ホタテ

白ミル貝

シャラン鴨


〆のうどん

貝は全て天然物で、調理方法は焼くだけという超シンプル。
何も手を加えない貝は、こんなに美味しいものだったのかと、驚くばかりである。
今回感じた主な点を記述する。
白バイ貝は、見たこともない大きさで、かといって大味ではなく、甘くてしっかりした味である。
ムール貝は、広島産の天然ムール貝。
広島で養殖をしていると聞いているムール貝であるが、すこすこの味のムール貝が多い。
然し、この店のムール貝は濃厚な味で甘みがあり、とても同じ貝とは思えないほどである。
磯ツブ貝のさきっこに肝があり、この肝は不思議なことに甘いウニのようである。
新鮮でなければ、絶対に食べることが出ない味だと思う。
カキは広島産の天然カキ。
私はカキの独特の匂いとぐにゃっとした食感が嫌で食べない。
然し、この店のカキはとても同じカキとは思えないほど匂いもなく、さらっとした甘みのある食感で、私の嫌いなカキの味とは思えない。
実は前回もカキが出て、その時はお付き合いで口に入れたところ、想定していた味と違って、余りにも美味しかったので、カキの味を見直した。
然しその後、食べたカキはやはり私には美味しくなかった。
最初から、このようなカキを食べていたら、今頃は大好物の一つになっていたであろう。
ホタテに黒いどろっとしたものがついているが(写真右下)、これはホタテの肝だそうである。
普段、この部分を食べることはないそうで、新鮮なホタテだから食べられるとのことで、食べると甘みがあり、美味しい。
ホタテにこんなに美味しいところがあったのかと初めて知ったのである。
「これ、複雑な味で味しい黒いソースのようだね」と大将に言うと、フレンチレストランのシェフが同じようなことを言うそうである。
オプションのシャラン鴨は、前回と同じく期待通りの美味しさである。
この鴨はビュルゴー家のシャラン鴨で、日本では偽物が多く出回り、本物はほとんど見かけることがないそうだ。
だからなのかと妙に納得する。
と言うのも、前回シャラン鴨を食べて美味しかったので、ネットで見つけたシャラン鴨を買って食べたが、普通の鴨肉の味で、感激するような美味しさはなかったからである。
仕入れたシャラン鴨が我々二人には大き過ぎ、食べきれなかった残りを包んでくれた。
〆のうどんの出汁は、焼いた時出る貝の汁と昆布で取った出汁である。
オーダーで作ったうどんと出汁との組み合わせは不思議な美味しさを出している。
店の大将に何故、料理は貝なのか?と訊いたところ、良い食材が手に入り、提供出来るからだと答える。
学生時代、アルバイトをしたお金で銀座の寿司屋を廻ったそうだ。
アルバイトではそんなお金は稼げないのでは?と訊くと、5回居酒屋に行く代わりに1回美味しい寿司を食べに行っていたそうだ。
なるほどと思う。
彼は「食」に対する哲学を持っていると感じる。
彼が最上級の食材と言ったり、能書きらしきことを言っても、なるほどとうなづき、納得が行く。
彼の揺るがぬ信念と自信は、客を唸らせる。
普段では食べられぬ美味しい貝や鴨肉を食べながら、彼の「食」に対する姿勢を垣間見、やはり、この店は普通の店とは違うと感じる。
同時に「美味しい食」とは何なのかと、考えさせられるのである。
この店は素晴らしい店である。
それにしても店の構えは、全くらしくない。
店の入り口は、どこかわけのわからい小さな会社のようで、とても食べ物屋とは思えない。

中に入ると、せんべろの店に来たのだろうかと思わせる店内である。

「食」については何も見識もない私でさえ、その奥行きの深さを感じる。
食材だけで勝負するこの店に完全に魅せらた私は、これからも性懲りも無く神戸に行くことだろう。

なるほどですね~
写真で見ても美味そうですよ。
私も貝が好きですが、御初のものばかりです。
確かに食べに出かけるカイがありますね
呑兵衛あなさん
私の文章能力が低いので、十分にお伝え出来ませんが
本当に美味しいです。
もし神戸に行かれることがあれば、是非立ち寄ってみて
下さい。
貝がお好きなら尚更です。
店の写真を画像検索したら、ドンピシャ、店が出て来ました。
便利なような恐いような。。。
呑兵衛あなさんがダジャレを言われるとは思いもつきませんでした。(*^ー゚)
これだけ貝が出て来ると,来た甲斐がありますね^^;
ふぃーゆパパさん
コメントありがとうございます。
はい。
活き貝で生き甲斐を感じています。