プールを歩いていると、色々と考える。
プールではテレビもないし、情報機器もない。
何もないので、考えることしか出来ないのである。
ある日、ふっと気が付いた。
これは、良いことなのではないだろうか。
居間にいると、つけているテレビを内容に興味がなくても、漫然とダラダラ見ることが多い。
また座っていると、時間を持て余し、漠然とスマホを見ることが多い。
今の世の中、情報が溢れており、またその情報を簡単に見ることができる。
これって決して良い状態とは言えない。
自分にとって有益とも思えない情報をつい見てしまい、随分無駄な時間を潰している。
然し、プールでは、その情報に触れることができない。
私は強い人間ではないので、手元に情報機器があると、ついそちらの方に走ってしまう。
その結果、自分で考える時間が極端に減っている。
プールは必然的に巷に溢れている意味もない情報から解放される環境を提供してくれているのである。
当たり前のことではあるが、やっと、そのことに気付いた私はプールで単に歩くだけでなく、歩きながら色々と考える楽しみを覚えた。
ちょっと視点を変えるだけで、ガラリと変わるものである。
それまで退屈な水中ウォーキングであったが、今では考え事をする時間を楽しみながら歩くようになった。
50分程度歩くことにしているが、それまで長い時間をかけて歩いているように感じていたが、今ではあっという間に時間が経つようになったのである。
