今年度、町内会長役が回ってきた。
私が所属する町内会では、進んで町内会長をやる人はいないので、輪番制になっている。
私も今まで仕事をしていたので、それを理由に逃げ回っていたが、今回は断る理由がなく、やむなく引き受けた。
予想はしていたが、お金の出し入れの管理簿がある程度で、その他の手順やルールに関するドキュメントはない。
前会長との引き継ぎは口頭で、しかもほとんどが過去のやり方の踏襲である。
情報がないという手探りの状態でのスタートで、まず最初に町内会の預金通帳の名義書換でつまずいた。
名義書換をするには町内会の規約が必要であるが、その規約に町内会の設立年月日が記述されていないという理由でハネられた。
やむなく作り直すことにしたが矛盾だらけの規約で、結局全面作り変える羽目に。
今までよくすり抜けて来れたと思ったが、銀行の担当者が変わったと聞き、納得した。
良いことかどうかはわからないが、従来の担当者は融通のきく人だったのだろう。
それが規則に厳しい担当者に変わったようだ。
人に依存して物事が進む典型のパターンである。
こうして、何かあるたびに右往左往しながら、何とかここまで来た。
1年単位の輪番で回って来る役目に、毎年、みんな同じことで戸惑いながら、何とか出来ているのは、周り全体がアバウトだからだろう。
これでは、町内会長をやりたがらないわけだ。
おまけに長老の集まりなので、余計なことは出来ない。
気を利かせてやったことが、ある長老にとって気に食わなかったとみえ、和を乱すなとお叱りを受けたこともある。
とは言え、引き受けたからには、これから担当する人達の手助けになればと、まずは必要と思われるドキュメントの整備を行っている。
町内会長をやって痛切に感じることは、町内会の機能そのものが明確でないことである。
恐らく昔は自治体をまとめる上で、有効な制度だったのであろうが、制度が始まった時から、随分時が経ち、世の中は変化しているのに旧態依然とした仕組みである。
本来なら機能の見直しを行い、現状にあった制度にする必要があると痛切に感じるが、変える権限を持っているのがどの組織なのかさえわからない。
現在のような1年単位の輪番制だと、町内会長は毎年、同じことで悩まないといけない。
然し、作業自体はルーチンワークなので、手順を整理し、ドキュメントを整備すれば、誰でも簡単にこなせるようになると思う。
私に町内会長の順番が回ってきたからには、もう少し続けて、環境整備しよう。
こんな程度で、社会貢献と言えるかどうか怪しいが、少しでも住民の役に立てたらと思う。
